これまで、貸借対照表の基本的な見方を説明してきました。
では、企業に投資をする際は、この貸借対照表のどこに
注目すれば良いのでしょうか?
これが分からないと、投資に生かすことができませんね。
というわけで、今回は、投資における貸借対照表の読み方
について説明していきます。
まずは、前回説明した貸借対照表の左側、つまり「資産の部」
から行きましょう。
まず確認すべきは、この資産の中で、現金および現金同等物が
どれくらいの比率を占めているかということ。
なぜなら、現金があるということは、現在僕達が直面しているような
経済危機に陥った時、最も信頼できる武器になるからです。
逆に、この現金および現金同等物が少ない、もしくは全然ない
場合は、その企業の経済基盤が、平凡または貧弱だということです。
さて、「現金および現金同等物」というのは、現金の他に、
銀行の短期譲渡性預金証書(CD)や、3ヶ月ものの財務省証書、
そして、流動性の高いその他資産などを合わせたものです。
これが多くの比率を占めているから大丈夫と早とちりしては
いけません。
なぜなら、その場合、現金および現金同等物が多いのは、
以下3つの原因のどれであるかを確認しないとならないからです。
1.対象企業が、社債や株式の新規発行をした
2.対象企業が、資産や事業を売却した
3.対象企業が、本業で多くの現金を稼いだ
上記3.が原因なら素晴らしいことですが、2.のケースの場合は
歓迎できませんね。
つまり、現金はあればあるほど良いが、問題は、その出所が
どこなのかということです。
これを確認するためには、過去5~7年分くらいの貸借対照表を
見て下さい。
そして、あとは借入金がどれくらいあるかです。
現金が大量にあって、借入金がほとんどないか、
全くない企業は、ものすごく強い企業です。
まぁ、当たり前ですよね。
我々個人においても、有り余るほどの貯金を持ってて、
借金無し、しかもそれで超高給取りの人は、今のような不景気でも
何の問題もなく生活できます。
でも、いくら現金を持ってても、それが借りてきたお金だったり、
家や車を売って一時的に作ったお金だったら、あんまり
意味ないですからね。
一番良いのは、
・借入金がほとんどない、もしくは全くない。
・株式発行や資産売却をしていない。
・過去から長年にわたって大量の現金を稼ぎ出している。
という企業です。
さて、次に確認するのは、棚卸資産です。
これは、ゆくゆくは売却されて現金になる製品、
つまり在庫品のことですね。
強い企業には、棚卸資産と純利益が一緒に増えていく
傾向が見られます。
なぜなら、投資対象とすべき理想的な企業は、
その市場において、かなりのシェアを占めており、
ユーザーもあまり目移りしません。
デザインや内容を頻繁に変える必要なく、しかも、
ずーっと売れている製品を持っている企業。
いつまで経っても変わらず、その製品が、そのままの形で
長年ユーザーに受け入れられていて、特に何の変更も
しなくていいもの。
そういう製品やサービスを持っていて、その市場において
かなりのシェアを占めている優良企業においては、
順調に売り上げを伸ばし、収益が上がっていく。
そうすると、お客さんからの注文を納期に間に合わせるために、
十分な在庫を持って対応しないといけません。
それが貸借対照表では、棚卸資産と純利益の増加として
数字に表れるわけです。
さらに、売掛金が総売上高のどのくらいを占めているかも
要チェックです。
売掛金とは、要は、「ツケ」のこと。
例えば、企業の場合、製品を小売業者に売る際、
毎回納品後、その場で現金を受け取るなんていうことは
まずありませんよね。
ほとんどのケースにおいては、製品を納品してから
30日以内に支払ってもらいます。
業種・業界によっては、この支払い期限が、30日を超える
場合もありますね。
このように、製品を納品した後、お金を受け取るまでの間、
宙ブラリンになった売り上げのことを、「売掛金」と言います。
売掛金とは、先ほども言ったように、「ツケ」ですから、
踏み倒されてしまうというリスクもあります。
ですから、この売掛金の総売上げに対する比率が
常に少ない企業は、優良企業です。
逆に、売掛金が多い企業は、もし回収できないと大変な
打撃を受けてしまう。
しかも、売掛金が多いということは、その企業が同業者との
競争において、相手より有利な支払い条件、つまり、
より長いスパンの支払い期限を取引先に提示している可能性が
あるわけです。
そういう激しい競争に身を置いている企業でなく、
市場で常に優位的なポジションにいて、しかも取引条件も
一切妥協する必要がない企業に投資した方が良いでしょう。
今日はこれくらいにしておいて、続きはまた次回に
しときますか。
2009年5月14日 19:04 |個別ページ